2008年10月21日火曜日

偽善エコロジー



読み始めた日: 2008-10-17
読み終わった日: 2008-10-17

私は、解決するのがとても難しい問題に対して、「とりあえずやれることからやってみよう」的な考え方で取り組むのが嫌いです。
それって、結局、小さな自己満足をすることによって、問題の本質から目を背けてしまい、逆に問題解決からは遠ざかってしまうような気がするからです。
できないことに対しての罪悪感を心に留めながら日々の生活を過ごす方が、実は問題解決の近道のような気がするからです。

なので、近年の「あなたの身近なところから取り組みましょう」的なエコ活動は、どうもしっくりきません。例えば、こまめに電気を消すよりも、どんどん電気を使ってもらい、儲かったお金を新エネルギーの研究に投資する方がよっぽど前向きだと思ってしまいます。

ということで、この本。読んでいてとてもすっきりしました。

レジ袋、ゴミの分別、日本のCO2削減運動、マイ箸、ツバルが沈む理由、リサイクル、狂牛病、その他その他…

これまで何となく怪しげに感じていた、でも大きな声では言えなかった事柄に対して、客観的なデータを提示することでこれまでの通説を明快に否定しています。
なにしろ、出だしから「エコバッグの方がレジ袋よりも環境負荷が高い」ですから。もう楽しくてしょうがない。

最後の章では、「じゃあ、私たちはどういう生活をすればよいのか」という問題提起に対しても、すばらしい答えが用意されています。

おもしろくて最後まで一気に読めました。おすすめです。
もちろん、この本に載っているデータも間違っているかもしれませんので、
読後の判断は個人個人で行う必要があるとは思いますが。

# 余談ですが、トヨタさんの「エコ替え」っつうのも、
# 本当に地球環境の事を考えたらツッコミどころ満載だと思うのですが、
# あそこまで利益追求の姿勢を見せてくれれば、逆に清々しいと思います。(イヤミでなく。)

# 更に穿った見方をすれば、
# 自動車が売れて景気が良くなれば、環境に関する研究への投資も増えるだろうし。

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