2011年5月4日水曜日

怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉



3.11の後、なかなかblog書けなかったのですが、まずこの本について書こうと思います。

割と怒りっぽい方だと思います。特に、納得いかないことがあるとすぐ感情が表に出てしまいます。で、後で結構落ち込みます。
このままだと自他共にあまり得しないのは明白なので、怒らないようにするためにはどうしたらいいのか、ヒントが欲しくて読んでみました。

第一印象は期待はずれ。
基本的に「怒ることは良くないことです」という教えが全編通して書いてある本(法話)であり、じゃあ怒らないようにするためにはどうすればいいかといった具体的なテクニックはあまり書かれておらず、明日から何に気をつければいいの?という問いには答えてくれません。
また、内容に矛盾を感じる部分が少なからずあります。「勝ち負けを気にしていてはいけない、負けてもいいではありませんか」と書きつつ、「怒る人は負け犬です」とあったりして、よくわからなくなります。
読後感はあまり良くないです。突っ込みどころが多くてスッキリしない。スッキリしたい人は、我らが静岡県が排出した日本代表キャプテン、長谷部誠選手の書いた「心を整える。」の方がおすすめだと思います。評判いいみたいですし。
(いや、実はこっちはまだ読んでいないのですが。そのうち読みます)

でも、明確に「これはやっていいことだ、これはやってはいけないことだ」と書かれているので、迷ったときの指針にはなると思いました。
例えば、究極の教えとして、
『たとえ泥棒が無実のあなたを捕らえて、おもしろ半分にあなたの体をのこぎりで切って殺そうとしても、そのときでさえ怒ってはならない。』
というくだりがあります。
無意味に殺される瞬間でさえ怒ってはならない。こんなに理不尽なことはないわけですが、ここまで明確に書かれていると細かいことでは迷わなくなる気がします。

「こんなのできるわけ無いよ」などとぶつぶつ文句言いながら最後まで読んだわけですが、最後まで読んだら、自分にもできるかも、とちょっとだけ思いました。
人生が変わるかもしれないし、変わらないかもしれない。
誰にでもお勧めできるかはわかりませんが、機会があったら一度読んでみてもおもしろいかもしれません。

-----
おまけ。
ワンピース第99話「ルフィが死んだ」で、バギーに処刑され(そうにな)る瞬間に、ルフィが笑うというシーンがあります。(コミックス11巻177ページ)
もしかしたら、こんなところに類似性があるのかなぁなどと思ってみたり。

0 件のコメント: