2008年11月13日木曜日

考えることの科学



読み始めた日: 2008-11-06
読み終わった日: 2008-11-13


サラリーマンをしていると、突然上司が「変なこと」を言い出すことが
良くあると思います。

# いや、別に私の上司を責めているわけではなく、
# 一般的にそうだろう、という話として受け取っていただければ

事実を述べるだけでは「変なこと」にはなりにくいので、
「変なこと」は、その人の「推論」の結果であることが多いと思います。
で、その「推論」にたいして、エラーとかバイアスが発生するのはなぜか、
を面白く解説してくれている本です。

例えばこんな感じ。
-----
[その1] 論理的なおかしさに気づかないのはなぜか
・人間の健康にとってビタミンCは不可欠である。
・ピーマンにはたくさんのビタミンCが含まれている。
∴人間はピーマンを食べなくてはいけない。

ある嗜好を持った人は、この命題のおかしさに気づきやすいそうです。
果たしてどのような嗜好でしょうか?
(答えは本の中に書いてあります。)

-----
[その2] 機能的な推論とカテゴリー構造
以下の2つの命題、どっちが確からしいでしょうか?
[a]
スズメには尺骨動脈がある。
∴すべてのトリには尺骨動脈がある。
[b]
ペンギンには尺骨動脈がある。
∴すべてのトリには尺骨動脈がある。

おそらく[a]だと感じる人が多いと思います。
ところが、この命題に、それぞれ同じ前提条件を加えると、[b]の方がより確からしく感じるという現象が生じます。
さて、どんな条件でしょうか?
(こちらも、詳しくは本をごらんください。)

-----
その他、
・「二年目のジンクス」を回帰効果で説明
・ベイズの定理と三囚人問題
・転移
・自己の感情と他者の圧力に左右される
などなど、おもしろい話題がたくさんです。


問題は、いくらこういう仕組みを理解しても、世の中から「変なこと」は無くならない、ことでしょうか(笑

0 件のコメント: